

『皮膚』
部屋の中を暗くして
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『皮膚』
あの日の予約は、
閉店1時間前に滑り込むように入った常連の男だった。
40代半ば、色白で無表情。
いつも施術中は、私の手をずっと見つめている。
その日は、妙に機嫌が良さそうだった。
「今日はね、◯◯ちゃんに渡すものがあるんだ」
そう言ってカバンから出してきたのは、小さなジップロック袋。
中には、黄ばんだ手袋のようなものが入っていた。
「これね、最初に触ってもらった日の…」
よく見ると、それは手袋じゃなかった。
指先に爪がついている――人間の皮膚だった。
息が詰まりそうになる私を見て、男は笑う。
「剥いで…乾かして…形を残したの。これでいつでも触れるから」
施術どころではなく、逃げ出そうとしたその時、
男が私の手首を掴んだ。
その掌は、普通よりもざらついていて、皮膚が剥がれかけている。
力を振りほどこうとした瞬間、べり…という音がして、男の手の甲の皮が、まるで手袋みたいにめくれ上がった。
「やっぱり…君の手が、一番馴染む」
剥き出しになった赤黒い肉の上で、まだ生きているように指が蠢いていた。
私は悲鳴を上げたが、外のスタッフには届かなかったらしい。
男はその皮を、自分のカバンにしまいながら、私の耳元で囁いた。
「次は…もう片方も、もらっていい?」
ぎゃーーーーーーーーーーーーーーーーー
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