混乱と快楽。
非日常の入り口を開かれた俺の脳は忘却へ。
たまらずに言う。
『いっ、いksんふぁf、イカfさdfんかい、イカせて下さいl;skふぁ』
りょうが強い口調で俺に激を飛ばす。
『情けない事言ってんじゃないよ!!勝手にイって良いって言った?』
最早りょうは完全に悪鬼と成り果てていた。
俺は必死に、最後の力を振り絞り抵抗を試みる。
『ひへぇぇええええええ。もう、もう駄目ですぅううううう』
俺の言葉は虚しく空を舞う。
なおも高速の手は動きを止めない。
止めないどころか速度が増しているようにも感じる。
尻穴ズポリ、指ピクピク、亀頭もシャアー♪
尻穴ズポリ、指ピクピク、亀頭もシャアー♪
尻穴ズポリ、指ピクピク、亀頭もシャアー♪
その動きは小室哲也のように目まぐるしく動く。
NYならぬTK。
俺と言うキーボードを巧みに操り、音を無理やり奏でさせる。
『ほらほら気持ちいいんでしょ!返事は!!』
さらなる強い口調。
りょうは最早怒鳴っているようだった。
『はい!!良いです。良いです。だからイかせて下さい。イかせて下さい。』
もう、従うしかなかった。
俺は奴隷だ。
底辺だ。
負け犬だ。
もはや経験が告げた結果だった。
りょうが怒鳴る。
『駄目っつってんだろ!!!』
りょうの怒号
『ほら名前言ってみな、名前!!』
思わず反応する俺。
『ゲっっゲスっ』
言いかけて…
そしてりょうの罵声。
『名前も言えないの!!』
だが、そこで強すぎる口調に俺はふと、ほんの一瞬だが我に返える。
だがまたすぐに引き戻される。
そしてやはりりょうの怒声。
『自分の名前叫んでみろよって!!』
もう彼女には一片の情も残されていない。
俺は必至に何かにしがみついているが、それはあまりに脆く。
すぐに崩れる。
結局は従順に答えてしまう。
『ゲスっ、ゲスっ、ゲ、ゲ、ゲス川でゲスぅううううううううう。』
可笑しくなりそうな頭を順番に整理する。
―どうしてこうなった?どうしてこんな事に―
りょうがそれを分かったかのように攻める手を初めて緩めた。
緩急をつける様に、優しく言う。
『ほらぁ、どう気持ちいいでしょ?』
百七十キロの剛速球の後に九十キロのスローボールじゃさすがのスラッガーも空振りしちまう。
俺はバントで応戦した。
『そろそろイって良いでしょうか?』
顔色など伺う余裕などは無い。
そもそも恥ずかしさで一度も目を開ける事が出来ていない。
なんせ、ずっとチンぐり返しの姿勢だ。
りょうは言う。
『駄目よ。まだイかせないんだから』
そしてまた速度を速める。
―クッソ、この部屋にオービスさえついていれば即座にスピード違反で取り締まれただろうに―
経験がそう告げる。
フォルテ
俺は言う。
『いがっ、イがせて下さい。』
懇願。
アレグロそしてフォルテ
増すスピード。
『まだよ。まだ駄目。』
りょうの口調は強さを持ったままだ。
リピートそしてフォルテ
俺は再度言う。
『いがっ、イがせてぇー』
また強く懇願。
リピートそしてフォルテ
りょうは答える、やはり強く。
『まだよ。まだ駄目。』
求めていない言葉を。
リピートそしてフォルテ
俺。
『いがっ、イがせて下さい。』
リピートそしてフォルテ
りょう。
『まだよ。まだ駄目。』
アフレッタンドにプレストにフォルテッシモ
りょうの手の動きが増しさらに勢いづく。
より強く激しく早く。
リピートそしてフォルテ
俺。
『いがっ、イがせて下さい。』
リピートそしてフォルテ
りょう。
『まだよ。まだ駄目。』
リピートそしてフォルテ
俺。
『いがっ、イがせて下さい。』
リピートそしてフォルテッシモ。
さらに激しく。
りょう。
『まだよ。まだ駄目。』
ピアノからピアニッシモ
俺。
『いかっ、イかせて…おねがい…します』
ヴィヴァーチェ
増すスピード。
りょうの手はもはや常人には見えない程の手の動きをしていたに違いない。
リピートそしてスフォルツァンド
俺の言葉いつもと変わらない、何も。
『お願いしまぅううううううう。イガっいがっいがぜでぇええええええええええ』
果てそうだった。
経験がとっくに告げていた。
俺は死ぬのか?
またそう考えた、その時だった。
フォルテピアノ
耳を疑うような言葉がりょうから発せられた。
『仕方ないなぁ、じゃぁイっていいよ』
To Be Continued・・・