
普段の私なら、何も気にせず通り過ぎてしまう小さな存在です。
でも、子供は違います。
一歩一歩が新しい世界の発見だから、何にでも立ち止まり、
目を輝かせて「これ、なぁに?」と問いかけてくる。
その姿はあまりにも無邪気で、あまりにも素直で、
見ている私まで心が解かれていくようです。
私はというと、名前も知らない草花ばかり。
思わずスマホを取り出して調べてしまう。
正式な名前を知ったとき、その雑草が急に“ただの草”ではなく、
一つの命として愛おしく感じられるから不思議です。
気づけば、子供と一緒にしゃがみこんで、
小さな葉っぱの形を眺めたり、花の色を確かめたり。
ほんの数分の出来事なのに、その時間がとても
豊かで贅沢なものに思えるのです。
大人になると、いつの間にか効率を優先し、
見過ごすことが当たり前になってしまう。
けれど子供は、“今この瞬間”を全力で感じ取って生きている。
そのまっすぐな眼差しに触れるたび、私自身も
忘れかけていた大切な感覚を思い出します。
当たり前の日常に潜む、小さな奇跡。
その一つひとつに気づけることが、
こんなにも心を満たしてくれるなんて。
今日も私は、子供の素直さに癒され、支えられています。
そして明日もきっと、雑草のような小さな出会いの中に、
大切な宝物を見つけていくのだと思います。