どうも。
BOSSの子分です。
今日は、あまり語られない人の話を書きます。
売れっ子でもなく、看板でもなく、伝説にもならなかった人。
この店で、何者にもならなかった人 の話。
その人は、特別な理由があって来たわけじゃありません。
「なんとなく」
「今のままは違う気がして」
「話だけ聞いてみようかな」
それくらい。
面接でも、強い意気込みはなかった。
在籍してからも、
目立つタイプではありませんでした。
たくさん出るわけでもなく、
無理に頑張るわけでもなく、
黙々と、自分のペース。
誰かと競うこともなく、ランキングにも興味なし。
正直に言うと、子分はその人を
「伸ばそう」とも思いませんでした。
売らなきゃ、育てなきゃ、活躍させなきゃ。
そういう対象にしなかった。
その人は、ただ来て働いて帰る。
調子がいい日は少し出て、しんどい日は早めに切り上げる。
それだけ。
でもある日、その人がぽつっと言いました。
「ここ、自分を説明しなくていいのが楽です」
子分は、その一言を今も覚えています。
何者にもならない、というのは。
評価されない、という意味じゃない。
役割を演じなくていいということ。
その人は、いつの間にか来る頻度が減っていきました。
理由を聞くと、「別のこと始めてみます」とだけ。
引き止めませんでした。
それも、自然な流れ。
数ヶ月後、久しぶりに連絡が来ました。
「また少しだけ、戻ってもいいですか」
子分は、
「もちろんです」
と返しました。
肩書きも、立場も、何も変わらないまま。
この店には、何者にもならなくていい人がちゃんと残れます。
そして、何者にもならないまま離れてもいい。
未経験の子にとって、
いちばん怖いのは「期待されすぎること」かもしれません。
変わらなきゃ、
成長しなきゃ、
結果を出さなきゃ。
でも、そうじゃない道もある。
BOSSの子分は、今日も現場にいます。
誰かを“何者かにする”役じゃなく、
何者にもならなくていい時間を守る役 として。
もし今、「私、何者にもなれてないな」って思っていたら。
それは、遅れているわけでも、間違っているわけでもありません。
ただ、今はそのままでいる時期。
この店は、そんな人がそのままでいられる場所です。
今日は、それだけの話。
何者にもならなかった人が、ちゃんとここにいた。
それで、十分だと思っています。


