
①【実話官能小説】マロ子の夜の秘め事
~背負う男の裏の顔~
後編
12年前、夜の街でキャストとして
生きていた頃の話。
そこには、昼間の顔では決して
見せられない男たちの裏の顔がありました。
ベッドに腰を下ろした彼は
恍惚の表情を浮かべ、M字開脚を披露する。
(なるほど…)
私は悟った。
この男、昼間は大きなものを背負い
家族や友人に決して
見せられない顔を持つ男
そんな彼が、夜のこの部屋で
メスのように蹂躙され
ただただエロスに溺れたいのだ。
私の頭はフル回転
どうやってこの男を弄び
快楽の淵に突き落としてやろうか
ドSモード全開の私が
獲物を前にニヤリと笑う瞬間だった。
だが、次の瞬間
彼の口から放たれた一言が
私を一気に現実に引き戻した。
「キンタマやお尻を蹴り飛ばして
ホテルの窓から僕を落としてください」
…え?
一瞬、時間が止まった。
私のドSスイッチも、どこかへ吹き飛んだ。
(いやいやいやいやいやいや
ちょっと待って。
それ、物理的に無理だから!)
心の中でツッコミつつ、冷静さを取り戻す。
「ふふっ、ダンディさん
なかなか刺激的なご希望ね
でも、窓から落とすのはちょっと…ね?
もっと安全で、二人で楽しめる遊び
試してみない?」
もう、なんか必死だ
必死にいい女風を
演じるしかなかった
私は微笑みながら
彼の手を取り
別の快楽の道へと導いた。
(たまたま持ってたぺにばん)
あの夜、私は学んだ。
人は誰しも、表の顔と裏の顔を持つ。
大きなものを背負う男たちは
時にその重圧から解放されるために
想像もつかない欲望を抱くものなのだ。
マロ子はそんな彼らの心を
そっと受け止める夜の蝶だった。
次はどんな男の裏の顔に出会えるのか。
そんなことを考えながら
私はまた夜の街へと繰り出すのだった。
マロ子のひとこと
あのダンディな彼、今頃どうしてるかしら?
またどこかで、ブルガリの香りを漂わせて
誰かにおねだりしているのかな?
(願わくば、無事に生きててほしい)
ふふっ、夜の世界って
いつも驚きに満ちてるわよね
~完~