
こんにちは。むきたまご日本橋店 スタッフの東(あずま)です。
今日は、主語がない男の話をします。
彼は主語がありません。
なのに、独り言は多いです。
“情報がないまま文字数だけある”という特殊能力を持っています。
突然、
「無理でしょこれは」
「うわあうわあ」
「え?えええ!?なんやこれ!」
などの発言が投下されますが、
誰に向けた言葉か、どの事象を指しているのか、一切明かされません。
にもかかわらず、声はデカめです。堂々と謎です。
最初は全部、自分に言われてるのかと思ってました。
でもある日、完全に一人でモニターに向かいながら、
「いや〜でもこれってさ、うん、まあ、やんな」って言ってたのを見て、
あ、これはもう会話じゃないな、と。
“対話の体を成した独唱”だなと。
ただの独り言ならこちらも流せるんですが、たまに突然こっちに向かって
「で、それどうなりました?」って聞いてきたりもします。
この「唐突な双方向」には、何度やられても慣れません。
業務と放送の境界線が、かなり曖昧なんです。
“声に出していること=誰かに向けたもの”という思い込みが通用しない。
こちらとしては、
「これは“対応すべきやつ”か、それとも“流していい放送”か」
日々判断を迫られています。
ちなみに彼は年上です。
でも後輩です。
その“年齢だけマウント取れる立場”が、放送に妙な説得力を与えています。
最近はもう、うなずくだけの自分に少し感動してます。
反応速度が上がってきました。
彼の放送は、ラジオよりラジオっぽい。