
『トラカワ、帝愛にデリヘル嬢を送りに来る』
帝愛グループ――。
闇の支配者が牛耳る地下施設に、突如として異物が現れた。
階段をずりずりと降りてきたのは――
くせ毛・黒ぶち眼鏡・そしてもじゃっとした髭の中年男。
汗だくのTシャツに、短パン、首には“沼津人妻花壇”と書かれたタオル。
「ゼェ……ゼェ……こ、ここが“会員様のご指定先”……帝愛グループ本社……?」
周囲の黒服が一斉に警戒する。
「……誰だ、お前」
「デリヘルの送迎っす!沼津人妻花壇で働いてます、トラカワっつうもんで。本指名でのご案内……え、違った!?地下は違う!?じゃあどこだっけ……?」
「……ここは帝愛の“鉄骨渡り”後の待機室だッ!!」
ザワ……ザワ……!
そこへ現れたのは利根川。苦虫を噛み潰したような表情でトラカワを見る。
「……本気でここを“派遣先”と勘違いして来たのか?」
「うっす、マジっす。おら方向オンチでさ。沼津から来るだけでいっぱいいっぱいなんよ。もうさ、わけわかんなくて……」
その時、背後の部屋からカイジたちが現れた。
ボロボロの服、虚ろな目――。
「……なんだあいつ」
トラカワは彼らを見て驚く。
「てめぇっ!!」
黒服の一人が詰め寄ると、利根川が静かに制止する。
「待て。……こいつ、案外使えるかもしれん」
「え……?」
「お前、勝負ごとには強いか?」
「え、パチンコなら……最近は“1パチ甘デジ専門”。負け越し続きだけど、“当たった時のためのガッツポーズ”だけはいつも練習してるで?」
「ふ……面白い」
――こうして始まった異例の特別ルール。
「Eカード・デリヘル送迎代理戦」
勝ったら“次回出張交通費無料”。負けたら“嬢からのクレーム1年耐久”という謎ルール。
対戦相手はカイジ。
「……なんで俺がこんなやつと……!」
「ええじゃん、遊び半分でやってるわけちゃう。こっちは嬢と店の信頼がかかってるんだわ!沼津から来てんだぞ、こちとら!!」
ゲームが始まる。
「奴隷っ!」
「市民!」
「皇帝っ!」
「うぉぉぉ!!来た来た来た来たァァァァァ!!」
勝敗はトラカワの“ふてぶてしい勘”と、“現場対応力”により、五分五分のデッドヒート。
カイジが呻く。
「……なんだこの男……全然読めねぇ……!」
終局、トラカワが放ったカード――
「皇帝っ!!」
カイジの手札は――
「……奴隷……くっ……!」
トラカワ、勝利。
「うおおおおぉ!!おら勝った!これで交通費は次回も込み込み!!嬢も文句なし!!帰って冷凍たこ焼きで祝杯じゃあぁぁ!!!」
ザワ……ザワ……
利根川は静かにメモを取った。
「……沼津人妻花壇。要記録……」
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デリヘルスタッフ 『トラカワ』 が、
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『沼津人妻花壇』
営業時間/10:00-翌5:00