
子供の頃、数字を見上げる大人に憧れていた。
時折ニュースの画面に映る「株価の変動」を食い入るように見つめる大人達。
今とは違い、当時は電光掲示板に銘柄や株価の変動が表示されていた。
それを見ていたのだ。
この映像を見るたびに、大人は数字を見上げるものだと思っていた。
その数字が何の意味をするものなのか、
株価とは何のかわからなかったが、
自分も大人になったら数字を見上げるのだろう。
その時は大人になった証拠であると小学生ながら思っていた。
私は商業高校に入学をした。
バスケの推薦で入ったのだが、面接はあった。
その面接の時も「株価」について語った。
数字を見上げられる大人に近づいてきたのだ…。
さぁ現在。
私は数字を見上げられ大人になった。
残念なことに、今や株価はスマホやPCで細かな変動まで伺うことができる。
見上げる必要がなくなったのだ。
そもそも、株に興味はない。
けれど、私は毎日の様に数字を見上げている。
そう、パチ屋のデータカウンタを見上げる大人、
いやダメ人間になっていた泣