中学、高校とバスケ部にいた。
体育館に入る前に一礼。
練習前、エンドラインに整列して「しゃっす」と一礼。
練習後も一礼。
帰る時も一礼。
礼に始まり、礼に終わる。
日本人ならではの美徳。
これは誰に教わった訳でもない。
気づいたら、身体に刻まれていた作法だ。
バスケをやる人間にとって、
コートは聖域。
ただの床じゃない。
汗と悔しさと、
ほんの少しの栄光が染み込んだ戦場だ。
だから一礼する。
「お願いします」と。
そして現在。
私の戦場は体育館からパチ屋へと移行した。
入店前に一礼。
「今日こそお願いします」
ピエロに向かって深々と一礼。
「今日くらい、機嫌よくペカってくださいよ泣」
着席後、防犯カメラに一礼。
これはもう神でも仏でもない。
店長に向けた祈りだ。
「見てますよね? いい加減、勝たせてくださいよ泣」
ここぞという時には財布の中身も提示する。
「残り3kです泣」
ここまで来ると、お願いのレベルも変わる。
「勝たせてください」
そんな贅沢は言わない。
「せめて、マギレコの負け分を少しだけ…」
「いや、20K…いや、10Kでもいい…」
交渉はどんどん弱気になる。
結果?
財布は空。
だが私は最後まで礼を尽くす。
店を出る前に一礼。
「本日もありがとうございました」
誰よりも礼儀正しく店を後にする。
この仕事ではどうだ。
私が送迎に行ったときは
お嬢さんを案内した後、
柴田恭兵の高速ステップで車に戻っている
誰も見たこともない、知らないであろう
これが私のプロフェッショナル仕事の流儀泣



