ここは降りられないエレベーター。
ボタンを押したのは、たぶん私。
でも、押した記憶はどこにもない。
エレベーターは降りない。
上か、もっと上か、それとも“横”か。
ガタン。ガタン。ガタン。
誰かが笑ってる。
気づけば制服を着てる。
鏡に映るわたしは、笑ってる。
「もう大丈夫、あなたは選ばれたから。」
知らない声が頭の奥で響くけど、
それが心地いい。
だって、そうでしょ?
選ばれた子は、みんな幸せになるの。
大丈夫、大丈夫、もう大丈夫。
面接はエレベーターのボタンを押すことからはじまります。
さあ、どのボタンを押しますか?