今もやっているのかどうか分かりませんが、テレビ番組ですが、名店の味を芸能人が味覚の記憶を頼りに完全再現して出来栄えを競うというようなのがありました。アレ、評価の高い人、本当にすごいと思います。人間の味覚の記憶ってあてにならないものです。日米が戦争する前、日米和親条約とか結んでましたので、条約が不平等だ、とかは置いておいて、まあ同盟国でした。当然合同軍事演習なんかで交流がありました。その時にアメリカ軍側のコックでカーネルサンダースがいました。そして、日本に竜田という駆逐艦があったのですがそこの食事で竜田揚げが評判でした。元々は唐揚げを作る時小麦粉がなくて片栗粉で作ったら評判が良かったみたいなものらしいですが、なんにしてもカーネルサンダースが食べました。彼は感動してレシピを聞きたかったみたいですが「今度聞いてみよう」と思っていた矢先戦争になって聞けなかったそうです。終戦後、竜田の料理長と再会したカーネルサンダースは「竜田揚げの感動を忘れたことはありませんでした」と話し「自分なりに竜田揚げを再現して作りました」と言って出したのがあの「フライドチキン」です(笑)。一口食べて竜田の料理長は絶句しました。おそらく「イヤイヤ、俺、こんなの作ったか?」でしょう。でも相手も感動してるし、なんか自信満々だし、で出た言葉は「これは素晴らしい。でも竜田揚げではない。もはや君のオリジナル料理だ」そう言うしかないでしょう(笑)。そして「これは完全に君の料理だからカーネル揚げとかに名付けたら?」と言った料理があの「ケンタッキー・フライド・チキン」です。
味覚の記憶がいかにあてにならないか分かるでしょう。竜田揚げを頭の中で想像して記憶を呼び起こして再現したらケンタッキー・フライド・チキンになっちゃうのですから(笑)。そんなもんなんです。味覚だけでなく記憶というのは良い面も悪い面も誇張される傾向にあります。だから「昔は良かった」なんて言っている爺さん婆さんの話なんてほとんどあてになりません。周りに「昔は・・・」なんて言う人がいたら、その人の話は聞き流すぐらいにしておいた方が良いでしょう。



