孫の進路相談にのっている女性もいると思いますが、医学、医療、介護、この3つの違いをちゃんと理解しているでしょうか。これが分からないと失敗してしまいます。大まかな言い方ですが、医学は学問、医療はビジネス、介護はボランティアです。まず医学と医療ですが、医学は学問、医療はビジネスとはどうゆうことかというと、例えば交通事故で大腿骨の骨折を疑う患者が運ばれて来たとします。人工関節の置換術をしようとして開けてみたと時に折れていなかった。その時に、何もせずに閉じて「開けてみたら骨は無事だったのでそのまま閉じましたよ」と説明する医者と、骨が正常にも関わらずそのまま手術を続行して「無事に手術は成功しましたよ。」と言う医者とどちらを信用してついて行くでしょうか。医学的には何もしないのが正解です。しかし切られた患者は切り傷を見るたび「なんともなかったのに切られた」とずっと思い続けます。ましてや手術跡がうずいたりしたら怒りが湧き上がるかもしれません。一方、そのまま手術を続行して完璧に人工関節を置換した医者は医学的には間違っていますが患者は「この先生のおかげで助かった」と思います。医学的には間違っていても医療としては正解なのです。つまり医療とはビジネス、宗教と一緒で信じさせたもんが勝ちです。医学部を卒業した後に大学院に進み研究に行くのか、就職して臨床の世界すなわち医療の世界に行くのかはこの違いを理解してもらったうえで決めたら良いでしょう。
次に介護ですが、そもそも福祉とは元はボランティアです。それを資格や制度を無理くり整備してもビジネスとしては弱いです。介護で一攫千金なんて人も存在するのかもしれませんがごくわずかです。金を稼ぐというよりボランティアとしての側面が強いからです。ボランティアとはどうゆうことかというと極端に言うと責任が発生しません。もちろん介護で責任はあるのですが医者の責任と比べると極めて低いです。医療を行う人間から見ても口には出しませんが「ただのボランティアの人」という目で見ています。もちろん私もそのように見ています。介護職の人は怒ってくるかもしれませんが、生活の必要から資格を取った方が良い、その中で気軽に取れる介護を選んだという人が多いはずです。子供のころからずっと介護に憧れていてやっと念願の介護職につきました、なんていう人はまずいません。ところが最近は巧妙に介護職も資格が整備され、せっかく大学を卒業したような人が「何となくいいかな~、人の役に立つし~」なんて飛び込む事例が多々あります。悪いとは言いません。しかし介護はしょせん土台はボランティアです。そのことを理解したうえで年齢を重ねてそれしか道がないならともかく、新卒でこれから将来あるような年齢の孫がもしも介護の世界に飛び込もうとするなら、そのことは理解させておくべきでしょう。それでも飛び込むというなら自由ですけど。
そんな感じでやや速足ですが医学、医療、介護は似ているように思うかもしれませんがこのように明確に違います。相談されたらこの違い位は答えられるようにしておきたいものです。



