どんな会社でも、社長のタイプって2つあります。1つはキャリア型、学歴があり正社員になり資格試験なんかに合格して社長になるタイプ。もう1つはたたき上げ、バイトで入社して経験を積んで社長に登り詰めるタイプ。この2つのタイプに対して「あの社長はたたき上げだからすごいわ」とたたきあげタイプを称賛する向きがありますが、はたしてそうでしょうか。キャリアタイプって、大体高学歴です。これを「しょせん学歴」みたいに言う人がいますが、それは大きな間違いです。高学歴というのは幾多の受験戦争を勝ち上がってきたということです。それも学歴は1つの科目ではないですからあらゆる分野です。受験で出題される内容は日常生活では確かに使わないでしょう。ですから日常生活で使うこともない未知の分野に対して勉強し、他人よりも優れた理解をすることが出来るということです。これが高学歴の強みです。
たたき上げというのは経験を積み重ねて上がっていくのですから、経験したことには強いでしょう。しかし未知の分野では弱いです。経験したことのないもの、しかも今までの経験でヒントとなるようなものが皆無というときに弱いです。高学歴の人は知らないことでも、他人よりも優れて理解するのが得意な人です。未知の事象に対して、たたき上げの人が手も足も出ないのに対して、出来るか出来ないかは別として、こうしたら良いのではという道筋は示せるのです。
狂牛病の騒動が起きた時、真っ先に業績が急降下したのは吉野家でした。当時の吉野家の社長は現場重視のたたき上げです。一方、すき家はゼンショーグループという大企業なので学歴がものを言う会社です。どっちが強かったかというとゼンショーの方が強かったのです。その強さを見てなか卯も「助けて~」と傘下に入り込んできたぐらいですから(笑)。ただ、なか卯は風見鶏で、昔もモスバーガーに「ヨッ!!日本一!!」みたいな感じですり寄って行って、マクドナルドに勝てないな~と分かると見限って、今度は強そうなゼンショーですから。すき家より美味しくならないように牛丼をレトルトにされたのでしょう。おそらく「親子丼は許すが他はダメ」となっているのでしょう。まあ、そんなんで学歴は非常に大事です。「学歴なんて現場で役に立たない」なんて言っている人は大体、低学歴ですから(笑)。学歴を身に付けた人が言うなら納得しますが、ない人が言っても負け惜しみにしか聞こえません。だから受験を軽く考えている孫がいる人は学歴がいかに大事かを説いてあげて下さい。



