先日、ちょっと法律上の手続きで司法書士と一緒に役所と関係省庁を巡っていたのですが、この司法書士、まあ私が依頼しておいてなんですが私が大っ嫌いなタイプの人間でした(笑)。何が嫌いかというと相手の肩書をやたら重視するのです。その日は3カ所に用事があったのですが、役所関係は到着してから順番が来て対応されるのは当然です。それなのに「前もって、今日伺うと言っていたのに待たすのはおかしい」とか言って受付に絡みだすのです。確かに前もって連絡したのでしょうが、それと当日の順番は関係ありません。マクドナルドの持ち帰り予約システムじゃないのです。そして出てきた担当者を見て「あの人は役職が付いているから話が早い」とか「あの人は何の役職もないからダメだ」とか言います。担当者が話が分かるかどうかと役職は全く関係ありません。そもそも担当者というのは役職があろうとなかろうと呑める話と呑めない話を理解しているからそこにいることができるのです。その人間に対して「司法書士の俺が言っているんだ」「司法書士が自ら行くと前もって通告したはずだ」みたいな態度で接するのです。あまりにも度が過ぎるので「君ね、司法書士の資格を取ったかもしれないけど、君が司法書士だから人は話を聞くのではないよ。その人のなりを見て話を聞くかどうかを決めるものだ。資格なんていうのは足の裏の米粒と一緒、取らないと気持ち悪いから取るだけのものだよ」とついつい説教してしまいました(笑)。
この司法書士は若く経験が浅いからまだ頭を打ってないのでしょうが、このようなタイプは必ず頭をぶつけます。成長を考えるとなるべく早めに頭をぶつけた方が良いです。営業でもこのようなタイプっています。先方の会長とちょっと知り合いだったり仲良かったりすると自分の営業は受けてくれるものだという態度で営業に来る人です。窓口の人間と信頼関係が何もない状態で会長とだけ仲良くても契約は取れません。理想は会長と仲良くしつつ、窓口の人間も大事にする。そうすると契約を取れるのはもちろんのこと「この人は会長も信頼している人だから、ぜひそちらでも」なんて新しい契約先を紹介してくれたりします。
そしてこの肩書をやたら重視する人は自分が病気で手術しなければならないとなった時も、大学病院の教授なんかにお願いして、教授の手術じゃないとイヤだなんて言ったりします。本当にモノを知らないとはこのことで、論文で忙しい教授より現場でバンバン毎日手術している医師の方がはるかに手術は上手いです。そもそもそのような教授に頼んでも執刀するのは教授の監督の下で研修医が行うことの方が多いです。教授には研修医がたくさん付きますから自分で執刀する機会はほぼないです。
実際に信頼して任せてよいかどうかはその人の仕事ぶりをみて判断すべきことです。仕事が出来る人がたまたま役職が上だったということは多いでしょうが、主従を逆にすると必ずイタイ目を見ることでしょう。



