ウソをつくのは悪いことだと言って、なんでもかんでも正直に話す人がいます。そうゆう人を馬鹿正直と言いますが、馬鹿正直というだけあって馬鹿なんです。世の中には言った方が良いことと、言わない方が良いことがあるのと同時にウソをついた方が良い場合もあります。ウソをつくことでみんながハッピーならついた方が良いウソもあるのです。私が時々行く銭湯に尼崎の「戎橋温泉」があります。そんなしょっちゅう行くわけではなく、神戸の二宮温泉が朝10時を過ぎて閉まってしまった時で黒門の末広の湯に行く気分ではない時なんかに行くぐらいです。ここは天然温泉が銭湯の値段で入れるというのがウリなのですが、こんなことが書いてあります。「湯船の中の浮遊物は温泉成分が結晶化した湯の華です。安心してお入り下さい」と。そうか、と思って入っていると露天風呂なんかで、おじいさんなんかは体を湯船の中でこすります。そうすると大量の「湯の華」がそのじいさんから発生しているのです。このじいさんは温泉成分で出来ているのか、と思うかもしれませんが違います。まあ、いわゆる垢が湯船に溶け出しているのです。ここの温泉自体アルカリ性なので乳化作用と言って皮脂を溶かし出す作用が強いです。加えて戎橋温泉のある場所は神戸の二宮温泉がある場所ほどガラが悪いわけではないのですが、ガラが悪かった人が老人になり暴れる元気もなくなり静かに余生を過ごしている、という人が多い場所です。当然そうゆう場所ですから毎日風呂に入らない人も多いのでしょう。だから洗った後に湯船に入ったとしても温泉の作用で垢が溶けだしているのだと思います。もしも馬鹿正直に書いたら「当温泉は浄化作用が強いので入浴した人の垢が浮き出し浮遊していますが安心してお入り下さい」となるでしょうが、そんなの書いて誰もハッピーになりません。温泉成分が結晶化して湯の華になって浮遊するのもウソではないから、浮遊物は全て湯の華だ、とした方がみんながハッピーです。どうせ垢なんておじいさんが直前まで身に付けていたものなんで無害ですから(笑)。
ウソも方便なんて言いますが、捕まるようなウソはいけませんが、みんながハッピーに過ごせるならついた方が良いウソもありますし、白黒ハッキリさせない方が良いこともたくさんあります。頭が固い人はウソはダメなんだ、物事はなんでも白黒ハッキリさせないとダメなんだ、という観念がこびりついています。そんな観念に縛られると生きにくいし、可愛がられ人の引き立てを受けるということが難しくなります。何事もケースバイケースで柔軟に考えるのが良いでしょう。



