
騎士「貴様ッ! そのバイブレードをどこで手に入れた!?」
トラカワ「はいはい、もう聞き飽きたっての!」
ブブブブブブブ!!!
再びバイブレードが震える。どうやら、この剣がある限り、俺の死に戻りは終わらないらしい。
——しかし、今回のループで、何か違和感を覚えた。
トラカワ「ん……?」
目の前の景色は何度も見たはずの街並み。しかし、その中でたった一人、妙な動きをしている人物がいた。
レンガの建物の陰から、そいつは明らかに不自然なタイミングで顔を出した。
トラカワ「Iさん……!?」
驚きのあまり、思わず叫んでしまった。すると、その人物も俺の存在に気づいたのか、目を大きく見開く。
???「なぜバレた…!」ボソッ
トラカワ「Iさん!? どうしてここにいらっしゃるんですか!?」
Iくん——それは俺の勤めていた沼津人妻花壇の先輩であり、遅番で俺に仕事を教えてくれた先輩だった。
Iくん「俺も異世界転生しちまったんだよ…うん トラカワさんが何回も死んでんのを見て、何かおかしいと思って探してた。」
トラカワ「は!? いやいや、ちょっと待ってください。Iさんがいらっしゃるってことは……俺だけじゃなくて、会社ごと異世界転生とかしてるんですか!?」
Iくん「いや、そこまでは知らないですよ…うん でも、気づいたらこの街にいて、いきなり騎士に襲われそうになったんだよ…うん トラカワさんが何回もぶっ殺されてるのを見て、これはただ事じゃないと思いましてね…」
トラカワ「えっ、それ俺の11回の死に戻り、全部見てたってことですか!? バケモンでしょ……!」
騎士「おのれ、また怪しい者が増えたか!」
騎士たちが剣を構え、二人を取り囲む。
Iくん「やばいな……トラカワさんのせいで、俺まで巻き込まれちまったかもな…」
トラカワ「いや俺のせいにしないでください! っていうかどうすればいいんですか、これ……!」
Iくんはふと、俺の手元のバイブレードを見つめた。その表情は一瞬だけ険しく、何かを計算しているように見えた。
その時——
世界が揺れた。
ブワァァァァァァァァン!!!!
突然、周囲の時間が歪む。
トラカワ「う、うおおお!? なんだこの感覚!!」
Iくん「……やっぱりな。」
騎士「な、何が起こっている!?」
次の瞬間、俺たちの足元に卑猥な魔法陣が浮かび上がる。
Iくん「おそらく……お前と俺が接触したことで、何かが発動したんだろうな。」
トラカワ「何かってなんですか!? 何を知ってるんですか、Iさん!!」
Iくん「……さあな。」
不気味に笑うIくん。その態度が、俺の中に妙な違和感を生じさせた。
騎士「貴様ら……まさか、王の御前に立つ資格がある者たちなのか!?」
トラカワ「はぁ!? なんでそうなるんですか!!!?」
騎士たちの表情が一変する。先ほどまでの敵意は消え去り、代わりに畏怖の色が浮かんでいた。
騎士「……この者たちを、王の前へ連れて行く!!」
トラカワ「いやいやいやいや、展開急すぎませんか!!!?」
Iくん「でも、ここで殺されるよりはマシじゃないですか?」
そう言って、Iくんは微かに微笑む。その笑みが、なぜか俺には少し冷たく感じられた。
騎士「……王、連れてきました…」
トラカワ「王って…?○○さん…??」
——バイブレードの謎、異世界転生の真相、そして王の正体とは!?
次回、衝撃の展開へ!!!

『沼津人妻花壇』
営業時間/10:00-翌5:00