
『トラカワ、秋名山に現る』
深夜。群馬の山間にある伝説の峠道・秋名山では、今日も走り屋たちが集まりタイムアタックを繰り広げていた。
その中でひときわ注目される白と黒のツートン――藤原とうふ店のAE86が華麗に峠を駆け抜けていく。
しかしその頃、峠のふもとの道路脇には――
パンクしかけたママチャリを押して歩く、くたびれた中年男の姿があった。
「はぁ〜……どこやここ……ナビ通りに来たら山ん中じゃんか……」
額に汗、腹にタオル。くせ毛の黒髪、黒ぶちメガネにもじゃっとしたヒゲ。
静岡から来た男――トラカワである。
「なあ、この“あきなやま”ってとこ通ったら、裏の市街地に抜けれるって聞いたもんでな……ん?音が聞こえるら……」
――キュルルルルルッ!!!
突如、遠くからエンジン音とタイヤのスキール音。ライトが近づいてくる。
「おっかねぇぇ!なんか速えの来たぁああ!!」
慌てて道端の草むらにママチャリごと飛び込むトラカワ。
その目の前を、AE86がドリフトしながら通過していった。
「うぉぉぉぉぉぉお!!あれほんとに豆腐屋の車!?嘘だら!?ドリフトってやつだら!?どっかで見たことあらぁ!」
しばらくして、AE86がUターンして戻ってくる。そして運転席から降りてきたのは――藤原拓海。
「おっちゃん、大丈夫っすか?道に迷ったんすか?」
「おぉ…あんちゃん!すげえ運転だったに……おら、静岡から“西園ホール”に行こうとしてナビ入れたらこの山ん中来ちまって……」
「西園ホールって……パチンコ屋すか?まじで?ママチャリで峠越えっすか?それヤバいすよ」
「うぅ……たしかにヤバかった。しかもチャリのチェーン外れて、クランク曲がっとるし…」
拓海は一瞬、真顔でトラカワのママチャリを見つめた。
「これ……峠どころか坂道登るのも無理っすね。……よし、乗ってください。途中まで送りますよ」
「えっ、ええ!?おら乗るの!?助手席に!?そんで、あのドリフトの横を!?」
「スリルは保証しますよ。あと、アイス食べた袋は捨てないでくださいね」
「わかっとるっ!!おらだって大人だに!!……いやちょっと待て、助手席でドリフトって、絶対吐くやつだら!?」
こうして、藤原拓海の運転する86に乗ったトラカワの“峠ドリフト体験”が始まった――。
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