いいか、「去る者追わず」ってのはな
冷たいんじゃねぇ。覚悟って話だ。
この前、お嬢さんに言われた。
「てんちょーって、去る者追わなそうだよね」
あぁ、その通り。
むしろ私はこうだ。
「去る者は追わず
来るものは、ちょっとだけ疑う
そして、義を欠く者は容赦なく追い詰める」
綺麗事じゃない。
これは店っていう戦場のルール。
辞めたいって言われりゃ、
一応「なんで?」とは聞く。
だがな、その先は追わない。
「おけ」「わかったー」
それだけだ。
そして心の中では、武田鉄矢ばりに髪の毛を耳にかき分けながら
『送る言葉』と『人として』をフルコーラスで歌いながら
送り出してる。
止めて残るお嬢さんなんて、どうせ長く持ちやしない。
引き止められて残る関係なんざ、男と女と同じ。
いずれ終わる。
逆に言えば、
去るって決めた時点で、
そのお嬢さんの中ではもう一区切りがついている。
だったら、私がやることは一つ。
「綺麗に送り出す」
それだけ。
ただし
義を欠いた瞬間だけは別。
筋を通さない奴、筋を折る奴、
それは「去る者」じゃない。
逃げた奴だ。
そういうのはな、追わねぇ代わりに
私のプチデスノートにそっと名前を書き込む。
それくらいでちょうどいいじゃん♪
と、私は思ふ。



