
第3話:異世界デリヘル、冒険者ギルドに行く
「すみれさんを発見!!……で、これからどうしよう?」
すみれさんを見つけたはいいが、次にどう動くべきか考えていなかった。
異世界でキャスト様を守ると言っても、安全な場所なんて俺たちには分からない。
「うーん、とりあえず宿を探す?」
「異世界の宿屋ってワクワクしますねぇ」
すみれさんも黒瀬も、どこか余裕そうだ。
俺だけが焦ってる気がするのは、気のせいだろうか。
そんな時——。
「冒険者ギルドに行きたいです」
突然、黒瀬がのんびりした口調で言い出した。
「なんでだよwww」
即ツッコミしたが、黒瀬はいつもの飄々とした表情のままだ。
「いや、異世界と言えば冒険者ギルドじゃないですか?」
「ファンタジーマンガの鉄板ですよね!」
なぜか、すみれさんまでノリノリだった。
こういう楽しそうな話には、すぐに乗っかるのもすみれさんの魅力だ。
「いや、キャスト様の安全確保が最優先だからな?」
「むしろギルドで情報収集できるかもしれませんよ?」
確かに、それは一理ある。
異世界の情報が集まる場所なら、キャスト様の行方も掴めるかもしれない。
「……まあ、行ってみるか」

冒険者ギルドでの驚きの再会
ギルドの中は、屈強な戦士やローブをまとった魔法使いたちが行き交い、受付嬢が忙しそうに対応している。
その中で、ふと目を引く ひときわ目立つ女性 の姿があった。
俺は思わず目を見開く。
「……え? 雪さん?」
受付カウンターで何やら書類を書いていたのは、 セミロングの栗色のウェーブヘア を揺らす爆美女だった。
猫のように大きく、可愛らしい瞳。
そして、誰もが振り返るような 明らかに目立った可愛さ。
間違いない—— 「贅沢なひと時」の超人気キャスト・雪さん だった。
「なんで雪さんがここに!?」
雪さんは俺たちの方を見て、ニヤリと笑う。
「いやいや、私、ゲーマーでマンガ好きなんでww そりゃ、真っ先にここ来るでしょ(笑)」
「確かに」
全員が妙に納得した。
彼女はキン肉マンからハンターハンター、最新人気のアニメ、異世界転生系まで。
マンガやアニメ、ゲームの事なら武芸百般。それら全てを修めます。
そんな雪さんが、異世界に来て最初に訪れる場所として 「冒険者ギルド」 を選ぶのは、むしろ自然な流れだった。
「てか、雪さん、すみれさんと初対面ですよね?」
俺が言うと、雪さんは一瞬固まり、次の瞬間 大歓喜 した。
「すみれさん!!!」
目をキラキラ輝かせながら、雪さんは興奮気味にすみれさんの手を握る。
「わあああ!! すみれさんだー!! やっと会えた!! もう本当に大好きなんです!! ずっと憧れてました!!!」
「ええっ!? うわー! ありがとうございますー!」
雪さんは、すみれさんの大ファンだったのだ。
実は二人ともあまりに人気すぎて、待機時間などがなく、店でも 一度も直接会ったことがなかった。
そんな二人の初対面が 異世界 というのも、なんともドラマチックだ。
「ヤバい……私、いま人生で一番テンション上がってるかもしれない……!」
「私も嬉しいですー! まさかこんなところで出会うなんて!」
二人で手を握り合い、楽しそうに話している。
まさか二人の初めての出会いが、異世界になろうとは。
異世界の常識、冒険者登録!
雪さんの説明によると、
冒険者登録をすると「身分証」が手に入り、自分の職業とスキルが判明する らしい。
「え!?常識ですよね!?異世界転生モノなら絶対あるイベントじゃないですか!」
異世界の知識に関しては、雪さんが一番詳しそうだ。
「職業とかスキルって、どうやって決まるんです?」
「うーん……基本的には その人の適性に基づいて決まる らしいです」
「うおおお! ワクワクしてきた!」
「私、絶対芸人になりそうな気がする!」
「いや、異世界に芸人って職業あるのか?」
「異世界にコントがあるなら、あるかもしれませんよ?」
たしかに、それはあり得る。
「……せっかくだし、俺たちも登録してみるか?」
「賛成です!」
すみれさんもノリノリ。
こうして、俺たちは 異世界の「職業」と「スキル」を知るために、冒険者登録をすることに決めた。
第4話:いざ、冒険者登録! 俺たちの職業とスキルは!?
異世界での身分証ゲット! 冒険者登録開始!
「へぇ~、冒険者登録すると身分証がもらえるんですね!」
すみれさんが目を輝かせながら言う。
目の前には、冒険者ギルドの受付嬢が微笑んでいた。
「はい、冒険者登録をすると 身分証明書 を発行できます。それと、登録時に その人の職業とスキル も判明しますよ!」
「おおっ! まさに異世界転生モノの王道イベント!」
「ワクワクしますねぇ」
雪さんと黒瀬が興奮しながら頷く。
俺も異世界転生マンガは好きだから、こういう展開には ちょっとテンションが上がる。
「てことは……俺たちにも職業とかスキルがあるってこと?」
「その通りです!」
受付嬢が手元の書類を広げる。
「冒険者登録には 魔力測定 を行い、適性を見極める必要があります。
このクリスタルに手をかざせば、自動で職業とスキルが判明しますよ」
ギルドのカウンターに置かれた 青白く光る水晶。
どうやらこれに触れることで、自分の能力が分かるらしい。
「うおおお! やるしかないですね!」
「楽しみすぎる!」
すみれさんも雪さんもノリノリ。
……まあ、ここまで来たらやるしかないか。
俺たちの職業とスキル、判明!
「では、どなたから試されますか?」
受付嬢の問いかけに、俺たちは顔を見合わせる。
「……じゃあ、俺からいきます」
俺は 青白い水晶 にゆっくりと手をかざした。
ボワァァァ……!
淡い光が水晶の内部で渦を巻く。
やがて、光の文字が浮かび上がった。
【職業:錬金術師】
【スキル:科学的思考 Lv5】

「おおっ、錬金術師!!」
「宮嶋さん、理屈っぽいし、ピッタリですねえ」
「……まあ、確かに」
錬金術師といえば、魔法的な要素が強い職業だが、俺の場合は どう見ても科学寄り になりそうだ。
「どちらかというと、魔法より化学で戦いそうですよね」
「異世界で化学兵器開発とかヤバくない?」
「なんか、地味に最強職な気がしてきた」
なんとなく、火薬とか爆発系の戦い方 になる予感がする……。
黒瀬の職業とスキルは…?
「じゃあ、次は俺ですねぇ」
黒瀬が水晶に手をかざすと——
【職業:召喚士】
【スキル:愛犬召喚】
「……召喚士?」
「え、めちゃくちゃピッタリじゃん!!」
「俺、自分で戦うの怖いし、めんどくさいんで、誰か戦ってくれるのが一番いいですねぇ」
「完全に適職じゃねぇか!!」
「しかも、スキル【愛犬召喚】って……?」
黒瀬が手をかざすと、突如、空間が歪み——
「ぶふっ!!」
どこからともなく フレンチブルドッグが召喚された。
「えっ、うちの[おもち]じゃないですか!!」
「いやいやいやいや!!! なんで現実世界のペット召喚してんの!!!」
「おもち~~~!!!」
黒瀬が愛犬を抱きしめる。
「……まあ、可愛いけど」
まさか、異世界で フレンチブルドッグと旅をすることになるとは思わなかった。
すみれさんの職業は……まさかの!?
「私の番ですね~!」
すみれさんが意気揚々と水晶に手をかざすと——
【職業:聖女】
【スキル:神聖回復魔法】
「いや、聖女!!!」
「異世界に芸人はなかったんですか!??」
「えええええっ!?!? 私、絶対芸人だと思ってました!!!」
「むしろ最強の回復職ですよ!!」
「いやいや、私、ツッコミ専門なのに!!」
「なんでツッコミ専門なのに聖女なんですか!!!」
「こっちが聞きたいです!!」
「でもすみれさん、異世界で人を救う存在になれましたねえ」
「いやいや、私は異世界でも笑いを届けたかったんですよぉぉ!!」
異世界転生して 聖女職を引き当てたことにショックを受けるすみれさん。
……うん、完全にツッコミどころ満載だ。
雪さんの職業は、まさかの…!?
最後に、雪さんが水晶に手をかざした。
【職業:蚩尤】
【スキル:戦闘適性100%】
「……ん?」
「え?」
「……蚩尤って、あの キングダムの羌瘣の一族の蚩尤ですか?」
「めちゃくちゃ強いやつじゃん!!!」
「いやいや、ちょっと待ってwww 私、普通にマンガ好きなだけなんだけどwww」
爆笑する雪さんを見て、俺は ある記憶 を思い出した。
(……あれ、俺、前に「雪さんってキングダムで言うと羌瘣ですよね?」って話したことあったな……)
本指名獲得率が圧倒的に高く、戦場(=デリヘル)で無双する存在だった雪さん。
まさか 本当に羌瘣ポジションになるとは。
「いやー、やっぱり雪さんは羌瘣だったんですね!」
「ちょwww 私、これから戦場に行かなきゃいけないのwww」
「……いや、もう、すみれさんが聖女で、雪さんが蚩尤で、どういうパーティーなんだよ!!!」
「宮嶋さんは錬金術師だし、黒瀬さんはフレンチブルドッグ召喚するし、もう 異世界デリヘル関係なくね!?」
こうして俺たちは、それぞれの職業とスキルを手に入れた。
果たして、異世界で デリヘル運営 はできるのか!?
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