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第7話:逃げる魔法使いと、ホーンラビット討伐作戦!
ホーンラビットに追われる少女
草原を進む俺たちの耳に、突然 女の子の悲鳴 が響いた。
「た、助けてぇええ~~!!」
「えっ!?」
振り向くと、 小柄な黒髪ボブの少女 が、ホーンラビットに追いかけられている。
その姿を見て、俺は思わず叫んだ。
「……せいらさん!?」
逃げるせいらさん
「み、宮嶋ぁ! 助けてぇえ!!」
ホーンラビットに追われながら、せいらさんが泣きそうな顔でこっちに向かってきた。
明らかに足が絡まりそうな全力疾走だ。
「黒瀬さん、早く助けないと!」
「了解ですよ~。おもち、出番ですよ!」
黒瀬が フレンチブルドッグのおもち を召喚し、ホーンラビットの進路を遮る。
おもちが吠えると、ホーンラビットが一瞬ひるんだ。
その隙に、俺はせいらさんを安全な位置に引き寄せた。
「せいらさん、大丈夫ですか!?」
「うん……ありがと、宮嶋。もうダメかと思ったぁ……」
せいらさんは肩で息をしながらも、ホッとした表情を浮かべた。
ホーンラビット、再び襲来
「まだ安心しないでください。ホーンラビット、こっち見てますよ!」
草むらの奥で動きを止めていたホーンラビットが、再びこちらを睨みつける。
突進の構えを取ったその瞬間——
「宮嶋、私も手伝うよ!」
「えっ、せいらさんもですか!?」
「だって、私も異世界に来ちゃったんだから……みんなと一緒に頑張りたいの!」
大きな瞳をキラキラさせるせいらさん。
その 裏表のない真っ直ぐな気持ち に、俺は思わず頷いた。
「わかりました……でも、せいらさんは無理しないでくださいね!」
宮嶋の錬金術! 煙玉の完成
俺たちは戦闘準備を始めた。
俺は草むらからいくつかの薬草を採取し、手早く 煙玉を作り始める。
「黒瀬さん、せいらさん、少し時間をください! 煙玉でホーンラビットの動きを封じます!」
地面にしゃがみ込み、薬草を細かく刻みながら考える。
この草には揮発性の成分が含まれている。
木の実の樹脂と混ぜ合わせれば、少量の摩擦で煙を発生させるはずだ。
「よし……これで完成!」
俺は 錬金術スキル を発動し、手のひらで調合した草と樹脂を固めた。
緑がかった小さな玉を作り上げ、それをそっと手に握る。
「宮嶋、すごいね! それでホーンラビットを倒せるの?」
せいらさんが興味津々で覗き込んでくる。
「いや、煙で目隠しをして動きを封じるだけです。討伐は黒瀬さんとおもちに任せます!」
せいらさんの魔法とドジっ子ぶり
「じゃあ、私も魔法を使うね!」
せいらさんが手をかざして魔力を練り始める。
……が、次の瞬間——。
「えっと……あれ、これで合ってる?」
せいらさんの手から 何も出てこない。
「えっ、せいらさん、魔法使いですよね?」
「うん、でも 魔法の使い方がよくわからなくて……」
「いやいやいやいや!!」
すると、せいらさんが急に胸元に手を入れた。
「……あ、宮嶋! ここに入ってたよ!」
取り出したのは 小瓶に入った謎の粉末。
「せいらさん、それどこに入ってたんですか!?」
「え? 胸の谷間! ここ、アイテムが無限に収納できる空間魔法なんだって!」
「……便利すぎません!?」
せいらさんの 空間魔法スキル に驚愕しながらも、俺たちは討伐作戦を続けた。
ホーンラビット討伐作戦、佳境へ!
俺が煙玉を投げ、ホーンラビットの視界を遮る。その隙に黒瀬がおもちを指揮し、ホーンラビットを追い詰める。
煙玉を投げて視界を遮ったものの、ホーンラビットはすぐに動きを取り戻した。
奴は角を振り上げ、草むらを跳ね回ってこちらを狙ってくる。
「宮嶋、どうする!? これ、まずいんじゃない?」
せいらさんが焦った顔で叫ぶ。
確かにこのままでは危ない。
攻撃を完全に封じるためには 決定打が必要 だ。
「何か、使えそうなものは……!」
俺が周囲を見渡していると、せいらさんが突然 胸元に手を入れた。
「宮嶋、これ!」
せいらさんが取り出したのは 黒いキラキラした石。
どこか不思議な輝きを放っている。
「……せいらさん、これどこで拾ったんですか?」
「さっきね、草むらで見つけて……面白そうだから 胸の谷間に入れといたの!」
「……せいらさん、相変わらずですね」
一瞬呆れつつも、俺はその石を受け取り、手の中で感触を確かめた。
黒い石の錬金術爆弾!
「この石、揮発性の鉱石っぽいですね……!」
俺の中で、瞬時に錬金術のアイデアが浮かぶ。
石の特性を活かせば、即席の 小型爆弾 が作れるはずだ。
「黒瀬さん、せいらさん! 少し時間を稼いでください!」
俺はすぐさま、黒い石の表面をナイフで削り始めた。
削った粉末に煙玉の残りを混ぜ、さらに鉱石の中に小さな穴を開ける。
穴の中に即席の導火線を仕込むと、手のひらサイズの 錬金術爆弾 が完成した。
「これで……いける!」
ホーンラビットへの反撃!
「黒瀬さん、ホーンラビットの動きを止めてください!」
「了解です~。おもち、行け!」
黒瀬が指示を出すと、おもちがホーンラビットの背後を取る。
ホーンラビットが振り返ると同時に、俺は爆弾を手に立ち上がった。
「せいらさん、合図を!」
「えっと……あ、今だよ!」
せいらさんの声に合わせて、俺は導火線に火をつけ、爆弾を投げた。
ボンッ!!
黒い煙と轟音が辺りに広がる。
爆弾がホーンラビットの足元で炸裂し、奴はその場に倒れ込んだ。
「……やった、倒せた!」
せいらさんの笑顔と反省
「宮嶋、すごいじゃん! やっぱり 錬金術師って頼りになるね!」
せいらさんが 無邪気な笑顔 を向けてくる。
あまりに明るく褒められて、なんだか照れてしまう。
「いや、石を拾ってくれたせいらさんのおかげですよ」
「えへへ~、そうかなぁ?」
「……でも、あの、次から 危ないものを胸に入れるのはやめてください ね?」
「え!? 危ないものだったの!?」
せいらさんは 目を丸くして驚いていた。
……やっぱり、相変わらずのドジっ子だな。
ホーンラビット討伐、大成功!
「黒瀬さん、おもちもお疲れさまでした!」
「いや~、おもちもいい仕事しましたねぇ。せいらさんもナイスでしたよ!」
「ありがとう、くろせさん!」
こうして俺たちは、見事にホーンラビットの討伐に成功した。
討伐証明として ホーンラビットの角 をギルドに持ち帰ることにする。
「宮嶋、帰り道、私が迷子になったらよろしくね!」
「……せいらさん、それだけは絶対に阻止します!」
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