
これをしてあげたんだから、それぐらいしてよ。
宮嶋の失敗談。
何かを求めるのであれば、まずは自分から。
優しくされたいのであれば、自分から優しくする。
しかし、
「その代わり、○○を求める」
という時点で、それが間違いだったなぁ。という話です。
10年くらい前、
宮嶋がまだ、とあるお店の店長なりたてホヤホヤくらいだった時。
ニコルちゃん(仮)という、可愛いハーフのキャスト様がいました。
ニコルちゃんは明らかに可愛く、
だからみんなにチヤホヤされていて、
写真指名も多かったです。
しかし、本指名様を全然獲得できませんでした。
そればかりでなく、
「冷たかった」
「サバサバしていた」
このようなクレームさえありました。
宮嶋は、それを注意出来ないでいました。
ニコルちゃんは可愛くて、広告で目出しもできて、
※今は顔出し当たり前の時代ですが、昔は目出しでも珍しかったです。
新規指名も多かったので、
それなりの売上もあったのです。
ニコルちゃんが辞めてしまうのが怖かったのです。
思い返せば思い返すほど、クソみたいなスタッフですよね。
当然ニコルちゃんはそんな接客を重ねた結果、
思う様に稼げなくなってしまいました。
ニコルちゃんの新規指名が獲れなくなってきたタイミングで、
初めて真剣に話をしようと思いました。
「鳴らなくなったから、辞めちゃってもいいし話すか~」ではなく、
「あぁ、ニコルちゃんが稼げなくなってしまったのは、僕のせいだ」とひどく後悔したからです。
初めて真剣な顔をして、
「ニコルさん、お話をしたいです。」と、面談室に案内をしました。
真剣な空気の中、覚悟を決めて厳しい話をしました。
でも、それが本来正しく、結果ニコルさんのためになる事は間違いない。
息を呑んで、真剣にニコルさんの目を見て、
不器用なりに必死に話し始めました。
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宮嶋:
ニコルさん。すみません。今、ニコルさんが思う様に稼げていないのは、僕の責任です。
ニコルさんは本当に可愛くて、広告露出も頑張ってくれて、
接客だって頑張ってくれてたんだと思います。
いろいろと我慢が多く必要なこの業界だからこそ、
出勤するのも心がしんどい時もあると思いますし、
お客様と顔を合わせるのも辛い時もあると思いますし、
プレイがしんどいのもわかります。
大変な思いをしながら出勤して下さってるのをわかってます。
でも、今のままじゃダメなんです。
こんな話をするのが、
こんなに遅くなってしまい申し訳ございません。
僕のせいで、今こんな目に遭わせてしまってます。
ニコルさんの接客は、足りない所があります。
本指名様を順調に獲得出来ていれば、
今こんな事になっていませんでした。
僕は、ニコルさんに足りない事、いくつか知っていました。
そのフィードバックがちゃんと出来ていれば、
ニコルさんにこんな思いをさせる事はなかったです。
ニコルさんは顔もスタイルも本当に素敵だから、
ただ存在するだけで、学生時代からずっと周りからチヤホヤされたと思います。
でも、風俗じゃ、それだけじゃダメなんです。
でも、ニコルさん、それだけじゃないです。
ニコルさんの優しさだったり、頑張りだったり、一生懸命さ、僕もしっかり感じてますし、
その向け方だったり、じゃあ具体的に何をどこまで頑張れば?って話を、
今から僕と一緒にお話をして、
今から改めて頑張れば、
またすぐ、もっともっと稼げる様になるんです。
ニコルさん、悔しい思いをさせてしまって本当に申し訳ないです。
ニコルさん、一緒に頑張って頂けませんか?
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ニコルさんは眉を歪ませながら、
険しい顔で目をしっかり見て、話を聞いてくれました。
今までニコルさんが辞めてしまったらどうしよう?なんて気にして、この話を出来なかった事が悔しかったけど、
ちゃんと話せてよかった。
そんな僕を信じてくれるかわからないけど、
今から一緒に、本気で頑張りたい。
ニコルさんの人生をもっと良くしたい。
そんな気持ちがしっかり伝えられて、本当に良かった。
少しの沈黙の後、ニコルさんは小さな声で言いました。
「そんなに熱くなられても困るし」
あっ ごめんなさい。全然響いてなかった。
うそ、やだ、はずかしい。ごめんなさい。
ぜんっぜん響いてなかった。
困り顔で、悔しそうな顔だと思ってた。
え、全然ちがうじゃん。うそ。全然響いてないじゃん。
結果、ニコルちゃんは、辞めはしませんでしたが、
出勤しなくなってしまいました。
なんかね、
「一生懸命さ」って、必ずしも正しい訳ではなくて。
いや、一生懸命さは絶対に必要なのですが、
「一生懸命であれば正しい」という訳ではなく。
「自分にとって正しい」が「相手にとっても正しい」なんて、
そんな傲慢な仕組みにはなっておらず。
もちろんこの件に関しては、
「じゃあ別に頑張ろうなんて言わなきゃよかったじゃん」ではなくって、
そういう気持ち、行動にさせる事が、お互いにとって大事って結論は間違ってなくて、
でも言葉や行動、タイミング、いろいろ違ったんじゃん?って事です。
「これだけ真剣に君の事思ってるんだからさ、だから頑張ってよ!」
そんなのって、ギバーと見せかけた、ただの独りよがりで。
「○○してあげたから、○○してくれ!」って、
等価交換でさえないかもしれないし、
先に何かしてあげた(された)上でそんな事を言われたら、
一種それは脅迫なのでは?とまで言えます。
ギバー。与え、感謝される人とは、
代わりに何かを求めるものではない。
そして、自分にとってどんなに正しいと思っている事でも、
別の人にとっては全然正しくなかったり。
「これをしてあげたんだから、それぐらいしてよ。」
「一生懸命だから、自分は正しい。」
それらは、本当に間違い!
そんな事を教えてくれて、10年前、ニコルさん(仮)、
本当にありがとうございました!
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