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第9話:謎の声と、宿屋「シナモーラプリンス」へ!
ボア討伐の期限は2週間! ひとまずギルドで報酬受け取り
夕暮れが差し込み、ギルド内の照明がオレンジ色に灯る。
俺たちは ホーンラビット討伐の報酬 を受け取るため、カウンターに向かった。
「せいらさんが受けたボア討伐クエストですが、期限は2週間ありますね」
受付嬢がそう告げると、俺と黒瀬は ホッと安堵のため息をついた。
「今日中にアイツを狩らなくていいんですね。助かりました……」
「おもちが潰されなくてよかったですよ~」
黒瀬がのんびり言う横で、せいらさんは キラキラした瞳 で報酬袋を見つめている。
「わぁ~! これ、ホーンラビットの討伐報酬ですか!? すごーい!」
「報酬の分配は後で決めるとして……まずはせいらさんを宿屋組と合流させましょう」
連絡手段がない!? 宿屋の場所がわからない問題
「でも、宿屋組は どこの宿に泊まったんでしょうね?」
「確かに……僕たち、スマホなんてないですし、連絡手段を持っていないんですよね」
黒瀬が「ですねぇ」と頷き、せいらさんも「え、どうしよう?」と不安げに首をかしげた。
現代では当たり前だった 連絡手段がないという不便さ を、異世界で改めて実感する。
「まあ、ギルドで待っていればそのうち会えるんじゃないですか?」
「いや、黒瀬さん、それだといつになるかわかりませんよ!」
「えへへ……せいらも、迷子になったらよく その場で待つ って言われる!」
「それはたぶん 迷子常習犯 だからですよね!?」
俺が思わずツッコんだその時——
「・・・くん?・・・まくーん?・・・こえる?」
「え?」
俺は 夕方のギルド内をキョロキョロと見渡した。
黒瀬が「宮嶋さん、どうしたんですか?」と不思議そうに聞いてくる。
せいらさんも「え? 何かあった?」と驚いた顔をしている。
「いや、なんか…… 誰かに呼ばれたような気がしたんですけど」
謎の声、再び!
「宮嶋くーん!!宮嶋くーん!!」
今度は ハッキリと聞こえた。
それは、間違いなく 聞き覚えのある声 だった。
「え!? どこですか!?」
俺は 辺りを見渡すが、姿は見当たらない。
「わ! 聞こえたー!!」
黒瀬が首を傾げる。
「宮嶋さん……誰と喋ってるんですか?」
「いや、僕にもよくわかりません……」
「えっと、幽霊ですか……?」
せいらさんが ちょっとビビった様子 で俺の腕を掴む。
「なんか…… コミュニケーションの天才の方の声が聞こえるんですけど、見当たらないんですよね」
「え? コミュニケーションの天才?」
黒瀬とせいらさんが首を傾げる。
その時、再び声が響いた。
「宮嶋くーん!! シナモーラプリンスって宿屋で待ってるよ~!!」
宿屋「シナモーラプリンス」に向かうことに!
「シナモーラプリンス……?」
結局、 声の主の姿はどこにも見えなかった が、どうやらその宿屋に みんながいる らしい。
「っていうか、今の声……確実に あの人 でしたよね」
「宮嶋さん、あの人って誰なんですか?」
「贅沢なひと時の “コミュニケーションの天才” ですよ……」
「あ~……あの方なら、こういう不思議なことがあっても納得ですねぇ」
黒瀬が妙に納得した表情を浮かべる。
せいらさんも「え! すごーい! そんな人いるの!?」と目を輝かせていた。
「じゃあ、その シナモーラプリンス っていう宿屋に行ってみましょう!」
「せいらも行く!!」
「いや、せいらさんは 当然来ますよね」
「シナプリ、温泉ありますかねぇ」
黒瀬が軽い口調で言った瞬間、俺は思わずツッコミたくなった。
「いや、思ったけど! シナプリだな~って思ったけど!」
「え!? あのシナプリですか?」
せいらさんが 驚いた顔 で反応する。
「ううん、そのシナプリではないよ! こっちのシナプリ! こっちのシナプリに行きましょう!」
「あ、こっちのシナプリですね!」
せいらさんが ニコニコしながら 頷くが、
どう考えても “正式名称を言ってはいけない(気がする)あのシナプリ”だと思っている 気がする。
「エレベーターはカードキー必要かな~」
「多分エレベーターはないよ!?!?!?」
「高層階の夜景が綺麗なレストランありますかね~?」
「いや、だからそういう宿屋じゃないです!!!」
俺は思わず叫んだ。
この異世界で「シナプリ」なんて略称が成立するとは思わなかったが、
どうやら俺たちの中では 完全に定着してしまったらしい。
「せいらも、わかった!メインタワーですかね!?アネックスですかね!?イーストタワー!?」
「いや、普通の宿屋ですよ!? たぶん!」
こうして、俺たちは シナプリ(シナモーラプリンス)に向かって歩き始めたのだった。
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