ふらっと散歩に出かけ5、6分ぐらい歩いた時のことです
ふとポケットに手を伸ばしたんですが
いつもはそこにあるはずのスマホがない事に気付きました
一瞬引き返そうか迷いました
もし大事な連絡がきたら
もし道端で可愛い猫に出会って写真が撮りたくなったら
そんな不安が頭をよぎりましたが、戻るのもめんどう
別にいいやと腹をくくりそのまま歩き続けました
すると、奇妙なことが起こり始めました
いつもなら画面の中の通知やイヤホンから流れる音楽に奪われていた意識がするすると外側へ溶けだしていったのです
あそこの家の生垣、あんなにきれいに切り揃えられてたんだ
風ってこんなに色んな匂いが混ざってるんだ
そしてアスファルトのひび割れから顔を出す雑草の生命力や電柱の影がゆっくりと伸びていく様子まで驚くほど鮮明に見えました
今まで僕は情報をかき集めることに必死で目の前の現実を疎かにしていたのだと思い知らされました
手の中の小さな画面を閉じたとき、あるいは強制的に閉じられたとき
僕たちは初めてデジタルな数字や文字ではない、ナマの世界の手触りを感じることができるのです
すべてと繋がろうとするのをやめたとき
初めて世界との本当のコネクトが始まります
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