街角にあるもう何年も前から動いているのか怪しい自販機があります
ボタンは色あせ、サンプルの中身はすっかり日焼けしてもはや何の飲み物かも判別できない
誰が買うんだろうと思うけど、深夜にぼんやりと青白い明かりを灯しているのを見ると妙に安心します
中身はきっとどこにでもあるようなコーラや緑茶ですがあの古びた筐体から出てくるというだけで少し特別な味がしそうな気がします
世の中はどんどん新しくなって便利なものが増えていますが、こういう「ただそこに置いてあるだけ」の古いものになぜか惹かれてしまいます
効率とか意味とか、そんなものは後回しでいいんです
ただ、雨の日も風の日も誰かに見られることもなく、ただそこに立っている
「お疲れさん」
心の中でそう呟いて通り過ぎる時、少しだけ足取りが軽くなったような気がします
明日には忘れてしまうような、なんてことのない夜のささやかな充足感でした
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