こんにちは。未熟な人妻 店長別所です。
前回、自分から未来を選ぼうとした彼女のお話を書きました。
今日は、その少し後のお話です。
その日、彼女は出勤前からどこか嬉しそうでした。
待機室に入ってくるなり、
「店長、ちょっと聞いてください」
と、珍しく自分から話しかけてきたんです。
以前なら、自分から話すことなんてほとんどありませんでした。
私は少し驚きながら、
「どうしたんですか?」
と聞きました。
すると彼女は、肩にかけていた紙袋を見せながら言いました。
「自分にご褒美を買ったんです」
中に入っていたのは、少し高級な下着でした。
決して安いものではありません。
少し前の彼女なら、
「もったいないから」
そう言って買わなかったと思います。
でも、その日は違いました。
「ずっと欲しかったんです」「でも、自分には必要ないって思ってました」
そう言いながら、彼女は少し笑いました。
「でも最近は、自分のためにお金を使ってもいいかなって思えるようになったんです」
その言葉を聞いて、私はなんだか嬉しくなりました。
下着を買ったことが大事なんじゃありません。
"自分を大切にしよう"
そう思えたことが大事なんです。
以前の彼女は、
家族のため。
子どものため。
周りのため。
いつも誰かを優先していました。
でもその日、初めて。
自分自身のために選んだ。
その小さな決断が、彼女を少しだけ前へ進ませた気がしました。
帰り際。
彼女は紙袋を大事そうに抱えながら言いました。
「店長、最近思うんです」
「人生って、まだまだ楽しいことがあるんですね」
その笑顔は、初めて面接に来た日の彼女とはまるで別人でした。
自信をなくしていた女性が。
未来を諦めていた女性が。
今は、自分の人生を少しずつ楽しもうとしている。
そんな姿を見られることが、この仕事の一番のやりがいなのかもしれません。
次回。
彼女のスマホに、一本の電話がかかってきます。
その電話が、彼女の心を大きく揺らすことになるとは、この時はまだ誰も知りませんでした。
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