弁当屋の外で、男子二人が話していた。
「なにか言いたいことがあるなら、
ちゃんと言えばいいのになぁ」
なんてことのない会話だ。
だが、その言葉が妙に耳に残った。
その後、私はコンビニへ向かった。
今夜のご飯のお供にと、
慎ましくスープを選ぶ私。
実に健康的。実に知的。
実に未来ある選択だ。
すると背後から、
「ふぅ…ふぅ…」
と、荒い呼吸音。
振り向けば、私よりも明らかに恵まれたボディを持つお嬢さんが、
まるでラスボス戦前の力士のような息遣いで現れ、
迷いなく日清焼そばU.F.O.爆盛バーレルを手に取った。
おいおいお嬢さん。
それは食事か?挑戦か?罰ゲームか?
961kcalだぞ。
まだ太るのか。
まだ伸びしろを信じているのか?
私の中の心配性が、
YOSHIKIのドラムソロばりに暴れ出した。
「やめとけ…せめて普通盛りにしろ…」
「いや、ペヤング ソースやきそばにしろ…」
「いやもう野菜スティックにしろ…」
「このまま行くと、いずれ私みたいに脳みそから血が出るぞ…!」
言いたかった。
本当に言いたかった。
だが今の時代、
見知らぬおじさんがそんな事を言えばどうなる。
通報。
動画撮られる。
炎上泣
なので私は黙って、レジ待ちの背中に念を送った。
「買うのはいい…だが食べるな…」
「お湯を入れ、湯を切り、その後は小鳥に分け与えろ…」
その瞬間、弁当屋の男子二人の言葉を思い出した。
「言いたいことがあるなら、ちゃんと言えばいいのになぁ」
が、言えなかった。
爆盛バーレルに、おにぎり二つまで添えて去っていく大きな背中。
完全栄養の真逆を行くフォーメーション。
よく考えりゃどうでもいい。
この、ブー子が太ろうが痩せようが、
私の人生には一ミリも関係ない。
もし面接に来たならその時だけ言えばいい。
「あと40kg落としてから来い。話はそれからだ」と。
さて。
他人には言えなかった私。
なので、
ここを読むお嬢さん達には1つ言おう。
最近、面接のドタキャンが多いです泣
爆盛食うのは自由。
だがドタキャン、お前はダメだ泣



